環境・エネルギーcolumn  |

オゾン層の破壊が私たちに及ぼす影響とは?

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今、地球はさまざまな環境問題を抱えています。そのうちの1つがオゾン層の破壊。オゾン層とは地上から約20キロの位置にある薄い空気の層のことで、地上の気圧で考えると厚さはわずか3mmほど。レースカーテンのようなこの薄い層が私たちにダイレクトに降り注ぐ紫外線をカットしてくれています。

 

紫外線は殺菌作用やビタミンDの生成促進など、私たちにとって重要な効果を持っています。ただその一方、紫外線には有害なものも存在します。この有害な紫外線に直接あたってしまうと皮膚がんや白内障、免疫低下によるエイズなどのウイルス性の病気にかかりやすくなるといわれています。20年後、オゾン層は2/3にまで減少すると予測されており、地球環境だけではなく人間や生態系にとっても深刻な問題です。

 

このオゾン層破壊の原因といわれているのが、エアコンや冷蔵庫などの冷却のために使われているフロンガスという物質。フロンガスの中でもオゾン層破壊への影響が強いとされている特定フロン(CFC)はすでに全廃、そして代替フロン(HCFC)は先進国で2020年、途上国では2030年に全廃される予定です。ただこの代替フロンも、フロンガスを使っていることには変わりありません。また、今でも生産に規制がかかる前のフロンガスが大量に残っています。これらの早急かつ確実な処分も急務になっています。

 

フロンの処分、そして排出削減のため、2013年に「フロン回収破壊法」が改正されました。この法律にはフロン類を製造するメーカー、フロン類を使った業務用機器などを製造する機器メーカー、そしてその業務用機器を使うユーザーそれぞれに「判断の基準」を定めています。ここでユーザーに求められているのが、3ヶ月に1度の簡易点検。簡易点検によってフロン類漏洩の早期発見を行うことが目的です。自分で行うのが基本なのですが、よく分からないことも多いでしょう。プロの手を借りながら行うことをおすすめします。

 

オゾン層破壊を食い止めるために私たちが出来ることは限られています。ただ、ちりも積もれば山となる、というように少しずつ意識を変えることで変わることもあるでしょう。諦めることなく出来ることからコツコツ積み上げていくことが大事です。


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